ページコンテンツ
殺人鬼「吉良吉影」に男としての魅力がある
名作漫画ジョジョの奇妙な冒険の第4部に吉良吉影というキャラクターが登場します。
第4部のラスボス的存在で、主人公たちを度々苦しめてきた宿敵です。
一見すると知的でスマートな紳士で、平凡でルーティンな日常を過ごす平和主義者。
しかしその正体は・・女性を次々と殺害している冷酷非道な殺人鬼。
これまでの「ラスボス=わかりやすいまでの悪」という概念を崩したキャラといってもいいと思います。
にもかかわらず、吉良吉影は女にモテます。
実際に作中でも、ある女性から強烈に惚れられます。
それは、吉良吉影に男としての魅力があるからです。
今回はその魅力について分析してみたいと思います。
ある日突然、夫が吉良吉影に入れ替わる
物語の中盤、主人公たちによって吉良吉影は追いつめられます。
窮地に陥った吉良吉影は、エステティシャンの辻彩に、自分の顔と指紋を別人と入れ替えさせます。(辻彩はそういう能力を持ったスタンド使いで、吉良吉影に無理矢理やらされます)
吉良吉影に肉体を乗っ取られてしまったのは、川尻浩作という男でした。
川尻浩作には妻と子供がいましたが、吉良吉影は川尻浩作として生きていくことになったので彼の家へ帰宅します。
川尻浩作の妻は川尻しのぶという女性で、この川尻しのぶがこの後、吉良吉影に恋をすることになります。
つまらない夫に塩対応するしかない川尻しのぶ
川尻浩作と川尻しのぶの夫婦関係は完全に冷えきっていました。
川尻浩作は悪い男ではありませんでしたが、「メシ」「フロ」「ネル」の単語しかしゃべらないような「つまらない男」でした。
川尻しのぶはこう言っています。
「結婚は気が合うってことが一番大切だってことが身にしみてわかった」
「私は恋を知らないで結婚した女」
そのため、夫の川尻浩作(この時は吉良吉影に入れ替わっている)が帰宅しても川尻しのぶの対応は実に冷たいものでした。
・・奥さんにこんな塩対応されたらヘコみますよね。。。
女は恋をすると可愛くなる
数日が経ち、川尻しのぶは夫の異変に気づき始めます。
でも、まさか中身が入れ替わっているとまでは想像もできません。
何より、最近の夫には好感すら持てるようになっていました。
おいしい料理を作ってくれたり、トラブルをスマートに解決してくれたりと、かつての夫にはなかった部分を感じ始めていました。
この川尻しのぶが変わっていく様子の描き方は見事という他ありません。
登場したばかりの頃の川尻しのぶは、仏頂面の感じ悪い奥さんにしか見えません。
しかし、吉良吉影に恋をしてる川尻しのぶはとても可愛らしく映っています。
女心までよくご理解されている荒木飛呂彦先生に感服です。
川尻しのぶの変化は現実でも起こる
「所詮は漫画だろ」
・・なんて片付けるのはもったないくらいのリアルな話です。
これは現実でも起こり得ることで、この女心の変化は現実の女性とマッチしています。
川尻しのぶが、後に夫となる川尻浩作と付き合い始めたのは、優越感からでした。
それなりの大学に行ってて、背も高く、友達も「物静かでステキ、カッコイイ」なんて羨ましがるから、大して好きでもないのになんとなく付き合っていたのです。
そしたら子供ができたのでそのまま結婚。
しかし、結婚してみたら川尻浩作は実につまらない男だった。
おそらく川尻浩作には自分というものが全くないのでしょう。
自己主張やエネルギーがないような男と一緒にいて女性が楽しいわけがありません。
優越感はすぐに冷め、残ったのはつまらない日常と絶望感だけ・・
そんな夫に優しく接するなんて無理な話なのです。
女は男の中身が劣化すると冷める
かつては夫に恋をしたが、その夫がどんどんつまらない男になっていく・・これに失望している女性はたくさんいます。
「家に帰っても奥さんが冷たい」といった愚痴をよく聞きますが、冷たくされるのにも原因はあるということです。
若い頃は体型も整っていて、エネルギーに満ち溢れ、会話も楽しかった夫。
それが、腹が出てメタボ体型になり、小さくまとまった事なかれ主義になり、どんな話をしてもただ相槌を打つだけ・・そりゃ嫌にもなります。
そんなダメ夫の川尻浩作が・・何でもスマートにこなして、余裕があって頼れて、自分のことを気遣ってくれるように・・そりゃ惚れ直します。
川尻しのぶの心の変化は必然の出来事なんです。
我々男性だって、彼女や奥さんが太って丸々体型になったり化粧や服装も手抜きになって外見的な魅力がなくなってきたら・・少しは気持ちが冷めますよね。
それと同じことです。
女性は、男性の外見よりも中身の劣化に対してより冷める傾向にあるのです。
吉良吉影から学べること
吉良吉影は明るい男でもなければ女に対して饒舌なわけでもありません。
つまり、一般的な遊び人やモテ男とは違います。
なのに、川尻しのぶは吉良吉影に夢中になりました。
なぜでしょうか?
それは、吉良吉影が強い男だからです。
ケンカが強いとかそういう意味じゃありません。(実際にはスタンド能力者なのでメチャクチャ強いですが)
トラブルを解決したり、女性の気持ちを汲んだりと、女性が望む強い男の像に当てはまっているということです。
女は心のどこかで男に頼りたいと思っているんです。
無気力な川尻浩作ではいざって時でも頼れません。
常に余裕があって何事にもソツがない吉良吉影ならどんな時でも頼りにできます。
女性はそこに強く惹かれるのです。
また、女性は心の通い合いを大切にします。
話を聞いてくれて、自分のことを大事にしてくれる男に心を開きます。
自分の話を全くしないどころかこちらへの気遣いも全くない川尻浩作とは心が通じ合いません。
なので、どこか自分を気遣ってくれる吉良吉影には心を開きたいと思うものなんです。
殺人鬼である部分は見習ってはいけませんが、その他の部分は吉良吉影から学べることがたくさんあります。
吉良吉影に惹かれる女性は川尻しのぶだけではなく、おそらく世の多くの女性が惹かれることでしょう。
「頼れる上に自分を気遣ってくれる」
そういう男を女性は求めているのです。
コメントを残す